日光白根山

日光白根山の頂に立つと雲が自分と同じ目線にあった
下を見れば深い緑に囲まれた沼が静かに光っている
それは山が自らの心を映しているように見えた
険しい道を登りながら何度も立ち止まった
それでも一歩進むごとに風や木々がもう少しと囁く
頂上にたどり着いた瞬間世界は静まり返り
胸の奥に温かい喜びが満ちていった
登るという行為は景色を得るためだけではない
自分の中の何かを確かめるためなのだ